6.「印相学の総本家」の文字商標と、「印相学宗家」の文字商標の意味が似ているとされ、商標登録されなかった事例
「印相学の総本家」の商標は、全体として「印相学についてのおおもとの本家(家元)」という観念を生ずるものであり、「印相学宗家」の商標もまた、「印相学についての家元(本家)」という意味を感得させるものであって、両者の観念上の相違は、本件商標中の「総」の文字に相応する「おおもと」の意味合いがあるか否かにすぎないことになるといわなければならない。
そして、一般商取引の実際において、時と所を異にして両商標を観念上比較したとき、本件商標中の「総」の文字に相応する「おおもと」の意味合いが特に印象強く取引者、需要者に訴える要素があるとは認め難く、むしろ「印相学の総本家」の商標及び「印相学宗家」の商標については「家元」「本家」の観念が印象強く訴えるところがあるとみるのが相当であるから、両商標ともに、「印相学についての本家(家元)」という観念において混同されるおそれが大きいといわなければならない。
したがって、「印相学の総本家」の商標と「印相学宗家」の商標とは、「印相学についての本家(家元)」の観念において相紛らわしい類似の商標と認めるのが相当である。