9.「野外科学KJ法」の文字商標と、「野外科学とKJ法」の文字商標の意味が似ているとされ、商標登録されなかった事例

 

本件商標は「野外科学KJ法」の文字を、引用商標は「野外科学とKJ法」の文字をそれぞれ左横書きしてなるものである。

「野外科学」とは、文化人類学者である被告(理学博士、東京工業大学名誉教授)によって提唱された学問研究方法であり、また、「KJ法」も、被告によって提唱された問題解決方法の一つであることが認められるが、それらがどのような意味内容を有する「科学」、「方法」なのかが、取引者、需要者一般に知られているものと認めるに足りる証拠はない。

しかし、「科学」及び「法」が普通に用いられる用語であるので、取引者又は需要者が「野外科学KJ法」に接した場合、「野外に関する科学」と「KJと称する法」とを結び付けた用語であると認識するものと認められるから、「野外科学KJ法」は、前記のような二つの観念を生じる用語を結び付けたものと認識されるものと認められる。

そして、引用商標「野外科学とKJ法」は、「と」があることによってなおさら、前記のような観念を生じる用語を結び付けたものと認識されるものと認められる。そうすると、両商標は、観念において紛らわしいものといわざるを得ない。