8.「夢二」の文字商標が竹久夢二を意味するとされ、商標登録されなかった事例

 

「竹久夢二」は、画家として世間に熟知されている本名「竹久茂次郎」氏の著名な雅号であり、また「夢二」と略称されて著名であることから、単に「夢二」といった場合、世人は著名な画家「竹久夢二」を直感するものといえる。

本件商標は「夢二」と縦書きしてなるものであり、これを看た取引者、需要者は、前記のことからして、これが「竹久夢二」を指称した表示よりなるものと容易に解し得るものと認められる。

そうすると、本件商標は、「竹久夢二」の観念をも有するものであり、他方、引用商標は、著名な画家である「竹久夢二」の観念を有するものであることは明らかであるから、本件商標と引用商標とは「竹久夢二」の観念を共通にする類似の商標である。