10.スマイルマークの図形商標の見た目が似ているとされ、商標登録されなかった事例
本願商標は、左のとおりの構成からなり、本願図形と「Hervey Ball」の文字部分は、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分一体的に結合しているとすることは困難であり、本願商標において、本願図形は、独立して自他商品の識別機能を発揮するものと認めるのが相当である。
本願図形と引用商標(右)の図形部分を対比すると、これらはいずれも、互いに、円輪郭、円輪郭内部に配された2つの小さい黒塗りの縦長楕円形及びその下方に配した両端上がりの弧線を構成要素とし、これらが円形の顔に目と口で人の笑顔を簡潔、かつ、象徴的に描写したものと看取される点において共通するものであるから、各構成要素の長さ、太さ及び曲率等においてそれぞれ微妙に相違するものの、上記の構成要素のすべてを共通にするものであるため、見る者に共通の印象を与えるものというべきである。
他方、本願商標及び引用商標の指定商品には、いずれも多数の日用品が含まれているところ、これらの商品が日常的に使用、消費されるものであることから、その需要者が微細、かつ、厳密な注意力をもって商品に付された商標を観察することは期待できないものといって差し支えない。そうすると、本願商標と引用商標を時と場所を異にして離隔的に観察したとき、本願商標と各引用商標の図形部分の微妙な相違によって、本願商標と引用商標を区別することは困難であると言わざるを得ないから、本願商標と各引用商標の各図形部分は、外観において類似するものといわざるを得ない。