2.太陽の図形商標の見た目が似ているとされ、商標登録がされなかった事例
本件商標は左のとおりの構成よりなり、引用商標は右のとおりの構成よりなるものである。
本件商標と引用商標とを対比するに、外観上の共通点は、太陽とその光芒を図案化した図形が顕著にそして殆んど同一の如く描かれてなり、この点が強く印象づけられるものである。
次に、差異点についてみると両者の中央に「タイヨー」及び「コクヨ」の文字が配され、更には各文字の左右に若干の相違する図案が配されているものである。
ところで、我々の日常経験によれば、一般の取引者、需要者は、必ずしも商標の構成を細部にまでわたり正確に記憶し、想起するものとは限らず、商標全体の主たる印象によって商品の出所を識別する場合も少なくないことが認められるのであって、このような状況の下においては、本件、引用両商標が同色で同一の大きさで表示される場合、看者は前記の共通点に最も強く印象づけられ、前記の各相違点にはそれ程注意を引かれず、両商標の図形全体の印象が極めて近似するに至るものと解される。
したがって、時と所を異にして離隔的に観察するとき、外観上互に紛れやすく、取引上混交を生じさせるおそれがあり、両商標は、類似の商標といわざるをえない。