15.「AMAZONE」と「AMIZONE」の読み方が似ているとされ、商標登録されなかった事例

 

本件商標は、「AMIZONE」の文字を横書きしてなり、引用商標は、「AMAZONE」の欧文字を横書きしてなるものである。

まず、本件商標と引用商標の類否について判断するに、本件商標は、上記のとおり「AMIZONE」の文字よりなるところ、該文字をわが国で最も親しまれている英語風に称呼した場合、例えば、「友好・平和的」を意味する英語「AMICABLE」が「アミカブル」、「アミノ酸」を意味する「AMINO ACID」が、「アミノアシド」、また、「地域」を意味する「ZONE」が「ゾーン」と発音されている例に徴すれば、本件商標の「AMIZONE」の文字よりは「アミゾーン」の称呼をも生ずるものと判断するのが相当である。したがって、本件商標からは「アミゾーン」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

一方、引用商標は、「AMAZONE」の文字よりなるところ、アマゾン川で有名な「AMAZON」が「アマゾン」、「地域」を意味する「ZONE」が「ゾーン」と発音されている例に徴すれば「AMAZONE」の文字よりなる引用D商標よりは「アマゾーン」の称呼をも生ずるものというのが相当である。

そこで、本件商標から生ずる「アミゾーン」の称呼と、引用商標から生ずる「アマゾーン」の称呼とを比較すると、両者は長音を含む5音中の4音を同じくし、異なるのは第2音における「ミ」と「マ」の差異である。そして、該差異音「ミ」と「マ」の音にしても五十音図の同行音に属する近似音であることから、両称呼をそれぞれを一連に称呼した場合には、全体の語感語調が近似し、これらを互いに聞き誤るおそれが少なくない。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼上類似する商標と認められるものである。