7.「SIMPO」と「SHINPO」の読み方が似ているとされ、商標登録されなかった事例

 

本件商標は、「SIMPO」の文字からなり、引用商標は、「SHINPO」の欧文字を横書きしてなるものである。

本件商標は「SIMPO」の文字を標準文字で書してなる商標であり、引用商標は「SHINPO」の文字を横書きしてなる商標であって、いずれも特定の読みをもって親しまれた欧文字とはいえないから、取引者・需要者は、一般にローマ字読みを参考として称呼すること、英単語を称呼するときに「ム」の発音に変えて「ン」の発音すること等に照らすと、いずれの商標からも「シンポ」の称呼が生ずるといえる。

本件商標と引用商標とは、欧文字の「H」の有無及び欧文字の「M」又は「N」に差異があるが、他の部分は共通しており、両者の外観は近似しており、取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等において、格別の差異があるとまではいえない。

本件商標と引用商標は、いずれも構成各文字が特定の語義を有しない語であり、いずれからも特定の観念を生じないというべきである。

以上のとおり、本件商標と引用商標は、「シンポ」の称呼を共通にするところ、両者の外観に格別の差異があるということはできず、また、いずれの商標からも特定の観念を生じないから、取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等において、格別の差異があるとはいえず、両者は類似するというべきである。